ソーシャルグラフについて
最近ソーシャルグラフが重要になってきている。
facebookのオープングラフ、mixiの新プラットフォームやYahoo!、モバゲーへの関心から話題性は膨らむばかりだ。
ソーシャルグラフとは「人間関係図」のこと。
http://blogs.itmedia.co.jp/.shared/image.html?/photos/uncategorized/2010/06/20/sg1.png
ソーシャルグラフ上の人間関係には以下4つがある。
- リアルな信頼関係
- リアルな同好関係
- バーチャルな信頼関係
- バーチャルな同好関係
また、ソーシャルグラフを語るには「狭義/広義」とそれぞれある。
http://blogs.itmedia.co.jp/.shared/image.html?/photos/uncategorized/2010/06/20/sg2_5.png
① ヒトとヒトのつながりをあらわす人間関係」(濃い水色)が,最も狭義のソーシャルグラフ
② 個人属性を含む人間係データ」(水色)が,中間の意味のソーシャルグラフ
→個人属性(氏名、メール、住所、学歴など)
→ヒトを識別するための情報(ID/PASS)
③ ヒトとヒトだけでなく,ヒトとモノ,コンテンツとのつながり」(薄い水色)まで含むものが,最も広義のソーシャルグラフ
→ヒトとモノのつながり(リコメンド情報や購買履歴)
→ヒトとコンテンツのつながり(WEB閲覧情報やサイト内行動履歴)
→ヒト、モノ、コンテンツの相関関係(それぞれののつながりを分析した情報)
ヒトとモノのつながり ・・・ Amazonのリコメンド、楽天の購買履歴を指す。
ヒトとコンテンツのつながり・・・ Twitterやfacebookで普段行われているサイトや動画のリコメンド。またYahoo!サイト内での
利用者行動履歴(行動ターゲティングバナーがある)
ヒト、モノ、コンテンツの相関・・・それぞれの関係性を「協調フィルタリング」という手法で分析し、新たに見出された相関関係を
指す。
それぞれのコマースサイトの適用について
http://blogs.itmedia.co.jp/.shared/image.html?/photos/uncategorized/2010/06/20/sg3_2.png
一番シンプルなものは「楽天モデル」らしい。
最も一般的なコマースサイトで、ヒトとモノの関係性のみ。購買情報と商品レビューで商売をしている。
それに比べて「Amazon」は高度なコマースサイト。「楽天モデル」に加えて、購買履歴や利用者のサイト内の行動履歴分析による
高度なリコメンデーションで成り立っている。
一番右の図が「理想的なソーシャルコマース・モデル」
「Amazon」モデルに加えて、ヒトの個人属性と人間関係を保有することで以下の購買行動を促進できる。
- (知る)ステップ : 友人の購入やリコメンドから,流行の商品や自分にあった商品を発見できる
- (調べる)ステップ: 友人や専門家の意見を参考に,興味を持つ商品を吟味できる
- (買う)ステップ : 友人と共同購入に参加することで,購入条件を良くできる
- (語る)ステップ : 商品レビューを友人とシェアすることで,彼らの購買行動に貢献できる
http://blogs.itmedia.co.jp/.shared/image.html?/photos/uncategorized/2010/06/20/sg4.png
ソーシャルグラフの重要性が高まっている背景には、インターネット、モバイルがもたらした「情報大爆発」がある。
日々様々な情報が入ってきて、じっくり選ぶ時間もないし、次々に新しい情報が入ってくるし、、、誰か教えて!という
ユーザーインサイトは確実にあるだろう。
※以下4点は重要。
1、我々は毎日,処理可能な情報量を遥かに上回る情報にさらされており,情報過多に悩まされつづけていること
2、そのため,日々の生活の中で,信頼できる情報を短時間で発見するニーズが高まっていること
3、形式知をベースにした機械的なリコメンデーションは限界に近づいており,暗黙知に基づくヒューマン系のリコメンデーションニ ーズが高まっていること
4、さらに商品のコモディティ化(均一化)により,購入意思決定におけるコンテキスト(商品購入におけるストーリー)がより大切 になっていること
もう機械でのリコメンデーションには限界が来ているとのこと。
人的リコメンデーションは、機械的リコメンデーションに対して最大5倍の購買効果が上がった事例もあるらしい。
たしかに、機械が教えてくれるよりも、友人や尊敬してくれている人が「この本とてもいいよ!」といわれたら、
確実に買ってしまう笑
実際に大手DVDレンタルNetflix社が開催したコンテストでは,成果ベースでリコメンド効果を10%引き上げるアルゴリズム開発のために賞金100万ドルを提供しており,機械的レコメンデーションの限界を感じさせる。
http://blogs.itmedia.co.jp/saito/2009/09/httpjournalmyco.html
素晴らしい!文殊の知恵とはこのことです。
人間系データ(中間の意味のソーシャルグラフ)にはさまざまなタイプがある。
Gmail : リアルに交流している友人の名前とメールアドレス,交流度合い等を保持
Twitter : 半匿名で,主としてバーチャルな緩い信頼同好関係を保持
YahooJapan : Gmailと同様の情報を持つ他,モノやコンテンツの嗜好性や(実名を含む)購買履歴を保持
mixi : リアルとバーチャルを含む半匿名の友人関係や同好関係を保持
モバゲー/GREE: ゲームに特化したバーチャルな匿名の友人関係を保持
LinkedIn : ビジネスに特化して,完全実名,専門性,信頼関係など高度な人間系情報を保持
Facebook : 実名を基本とし,友人関係,同好関係を保持。さらに外部サイトやモノに関する行動履歴も保持しはじめている
ある専門化によると、信頼関係で言えば、「Twitter<mixi<Facebook」だという。(私も共感)
Twitterは相手の承認が不要な片方フォローのため、一人当たりの人間関係数はFacebookを上回っている。
これが驚異的な口コミパワーを生み出す。
映画SNSのflixsterは登録時に好きな映画に対しての細かいアンケートにより自分との相性を7つにわけている。
http://japan.internet.com/wmnews/20090323/8.html
1、Soul Mates(ソウルメイト)
2、Best Friends(大親友)
3、Good Friends(親友)
4、Friends(友人)
5、Casual Buddies(軽い知り合い)
6、Bad Match(悪い相性)
7、Run away ,fast(すぐに逃げろ!)
映画の相性がいい友人とは、気が合う。(私の実体験)
その相性がいい友人からのお勧めされたものはどうしても気になり試したくなったしまう。
人は案外知らず知らずのうちに答えを探していることもあります。
※というか無駄な時間はやっぱりすごしたくないし、一緒に見に行く人も喜ばせたいですしね。