ソーシャルゲームの収益方程式について学ぶ

GREEモバゲータウンの会社としての利益率がものすごい。
驚愕な利益率をたたき出しており、今もさらに数字を伸ばしています。

世界でもソーシャルゲーム業界には各ファンドマネーが殺到している状況です。
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ソーシャルゲームの根源である、

上記2つの相乗効果を検証し、具体的な目標値、収益構造について纏めます。


フリーミアムモデル 〜顧客数と利用者単価をともに向上させる軌跡のモデル


「顧客数」と「利用者単価」の掛け算で「売上」が決まる。

それぞれ重要な要素ではあるが、多くの商売は「顧客数」・「利用者単価」のどちらかに力点をおく事により戦略が変わっていくという。

ブランド志向→利用者単価
低価格志向 →顧客数


フリーミアムモデルは「商品」はそのままで、「ビジネスモデル」を変えるだけで、「顧客数」・「利用者単価」を同時に増加させることが可能なモデルとなります。


フリーミアムモデルは利用者と利用単価が劇的に上がる。


・有料から無料に変えたことで,利用者単価は0.99-1.99ドル/回から14.66ドル/年に増加した。
 → 利用者単価は10倍 (調査元:Flurry,ただしアプリ寿命は1年以内と想定)

・有料から無料にすると,利用者数は7.5倍になるという調査がある。
 → 利用者数は7.5倍 (調査元:Pinch media)


利用者数が増加するのは簡単に理解できる。

ただし、利用者単価が上がるというのはすごい。

無料でまずはやらしてみたら、あとはユーザーしだいです。

今の時代は便利なツールは基本無料で使えます。

「もっとクオリティがほしい」などで、ユーザーは知らず知らずのうちにお金をちょっとずつ出し、

気づいたら、最初から使った費用の合計を利用するのに提示されたら絶対やらないですよね。


同じサービスを繰り返し使っていき、ユーザーが満足すれば、お財布の紐はゆる〜くなりますね。


「オンラインゲーム無料!」という広告を良く見ますが、オンラインゲーム業界はこの考え方は基本らしいです。



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【データ元: オンラインゲームフォーラム 市場統計調査2007】


フリーミアムについて素晴らしいコメントがあったので抜粋。

オンラインゲームにおいても定額制より無料アイテム課金の方が利用者単価がはるかに高く,しかも年々その格差が開いていることがわかる。「初期でまとまった料金を払うより,サービスを体感した上で必要なごと納得のいく料金を支払いたい」という利用者ニーズが根底にあるからだろう。逆に言うと「ゲーム自体を体験していないので定額料金が適正価格かどうかわからない。どれだけ値打ちがあるのかなんて難しい問題を私に考えさせないで」という心理的取引コストの高さが定額料金や有料ダウンロードのネックなのだ。そしてそれをズバリ解消するビジネスモデルがフリーミアムだ。



考えさせられます。
自分自身もその経験があるためさらに納得します。


■集客について 〜ソーシャルメディア時代の新モデル〜


昔はなにかキャンペーンサイトや集中的にサイトへの流入が欲しい場合は、その目的数を達成するために多くペイドメディアを買っていた。(媒体の枠を買うということ)


専業代理店がよく扱うダイレクトレスポンス系の場合、「クリック単価が安い」・「コンバージョン率が高い」・「露出が多い」などの指標でメニューを選定していた。

数多くあるメニューの中では、専業代理店が好むメニューがあり、それは「効果がいいメニュー」といわれ、在庫がなくなるほどの発注がはいることがよくある。

その中のいくつかは「エントリー制」をとり、決められた枠(例えば10枠)を超える30枠の発注が入るようなメニューもある。抽選結果により枠を押さえる事ができたクライアントははれてそのメニューを実施できる。


総合代理店がよく扱うブランド系の場合、「リッチ度(枠の大きさ、flash対応の可否)」・「わかりやすい場所&媒体にでるか(例えばYahoo!のtopのブランドパネル)、「買い切りメニューなどの、その代理店しか提供できない枠」をプロモーション内容に合わせ提供している。


こういったメニューを買うことのメリットは、「サイトへの誘導数、そして効果」が分かりやすい。
実績もあるため、クライアントの社内決済と取る際、数字的視点から説得できる。


その反面、デメリットもある。
一言で言うと「コストが大変かかる」ということだ。

インターネット広告とはいえ、いまはとても高い、

Yahoo!のTOPに5000万回広告を露出するには3000万円ほどかかる現状がある。



その中で、クライアントの予算は限られていて、予算が減少傾向にある場合、なかなかクライアント社内でも決済がおりず、ただし目標値は変わらず・・・ということも頻繁にあります。

そこで代理店が頭を使ってその課題解決をするために存在するのです。


今後期待されている手法は「ソーシャルモデル」。

枠売りの前もって大体分かっている流入だけではなく、その告知内容についてユーザー間で口コミさせ、その口コミ効果により想定を超える集客を実現する事も可能だ。(ただしこれはものすごく難しい。ユーザーとのコミュニケーション設計を理解したヒトしかデザインできない)

私もこの領域を勉強中なのですが、昔にやっていた「メディアセールス」的な考えのときよりも、仕事に関わっていてワクワクします。


ソーシャルモデルは、ソーシャルメディアの登場で集客力の源泉が大きく変化した。

初期集客にペイドメディアは有効だが、それ以上に大切になってきたのがソーシャルメディア上の口コミ拡散だ。

KPI(Key Performance Indicator 一定の目標を達成するため、目標に向かってのプロセスが順調に進んでいるかどうかを点検する指標)を設定することができる。

その効率をあらわす指標が「バイラル係数」だ。


-バイラル係数=既存利用者から紹介された新利用者/既存利用者


最初にリーチした(仮に利用者とする)人数が1万人だったとする。
この利用者の影響により最初に到達(未認知)していないユーザーへの影響を仮に一年間に5万人とする。

この場合バイラル係数は、50,000/10,000で500%となる。


この係数が100%を超える(一人が一人以上紹介するモデル)となると、利用者が爆発的に増加していくことになる。


ソーシャルメディアによるプロモーションの醍醐味は、このバイラル係数が重要となる。


このバイラル係数こと、事業の成否をわける鍵となる。



-ソーシャルゲームの収益方程式について


ソーシャルゲームについて「フリーミアムモデル」・「ソーシャルモデル」をベースにした「ソーシャルゲームの収益方程式」について調べてみた。


1、会員あたりの売上指標

  • 有料会員率:2%〜6%
  • ARPPU(有料会員あたりの月売上):2000円〜5000円
  • ARPU(会員あたりのつき売上)  :ARPPU×有料会員率 40円〜300円


上記はプラットフォームとゲーム種別により大きく異なるという。


※記事抜粋
例えば,Facebook系のARPU(会員あたり月売上)では,農園系や水族館系で50-150円,マフィアRPG系で100-200円,対戦ポーカー系(同期型)で200-300円が平均値とされている。また携帯ゲームはPCゲームと比較して (1)課金への抵抗感がすくなく,(2)キャリア課金があるため,ARPUが高くなる傾向にある。ARPUが高いゲームとしては,海外で「Texas Holdem Poker」,国内では「怪盗ロワイヤル」が有名だ。一般的な目標値としてはARPU100円とおくケースが多い。つまり10万人で月売上1000万円,1000万人で月売上1億円だ。



2、ライフタイム・バリュー指標

  • ゲーム寿命:1ヶ月〜12ヶ月

ゲーム寿命は各ゲームごとに大きな格差がある。
これは私自信も過去はまったゲームとそうではないゲームがあるからよく納得できます。


一般的な寿命の目標値は4ヶ月。
しかし、中には1年以上もヒットゲームになるものもある。

日本では「釣りスタ」・「怪盗ロワイヤル」だ。

テレビCMもよくみる。